月1連載「Road to Opal」

Road to Opal 9

時は変わって現在。
2022年7月11日。Day1.
ようやく赤い大地に再び降りたつ事ができた。
32ヶ月ぶりのオーストラリア。世界中がコロナにより鎖国状態になり、国内旅行はおろか海外渡航など当然諦めざるを得なかった状況も、ようやく改善の兆しが見え始めてきたと同時に、洋灯舎も満を持しての渡豪が叶ったわけです。感無量とはこの事なのか。
もちろんまだまだ問題は山積しているわけですが活動を再開しないわけにはいかない中、洋灯舎もついに32ヶ月ぶりにオーストラリアのアウトバックを旅する事が叶ったわけです。ただし、ちむどんどんすると同時に少なからずの不安を抱えての旅になりそうな予感。コロナ禍に喘いだオーストラリアがどのように変わってしまったのか、はたまた変わっていないのか。馴染みのお店はまだやっているのか、いままで会えば仲良くさせてもらっていた現地の方々は健在なのか、などなど。機内では様々な考えを巡らしながら、今までの渡豪時とは違って少しばかりシリアスな面持ちでシドニーに降りたったわけです。
奇しくも20年前、初めてオーストラリアに足を踏み入れた時と同じ道筋。まずはシドニー空港でレンタカーを借り、一気にライトニングリッヂへと向かう。まさに、7話、8話で話題になっていたブラックオパールの聖地。20年前にはじめて訪れたときは相棒がいたものの今回は一人旅。弱冠の寂しさを覚えながらも気ままな一人旅とする事に。
かつては道中、途中Dubboに一泊してからライトニングリッヂに入ったわけですが、今回は弾丸日程もあって、一気に目指すことに。
気温は10度、小雨降る中、まずはシドニー空港を出発。一応地図アプリも作動させつつ、過信は禁物と事前に予習した道順との整合性を確認しつつ車を走らせることに。今回の旅の相棒はトヨタ ヤリス。実はいままで借りてきた車の中では一番コンパクトなサイズ。オーストラリアの過酷な内陸部への旅のお供としては少なからずの不安を抱かせる車体。道中、道路の冠水、雨でのぬかるみにあたらないことをひたすら祈るばかり。それと言うのも、実は6〜7年前くらいか、一度内陸部を走行中に激しい雨に見舞われた事があり、車が完全にスタック。あわや1週間位の孤立を覚悟した出来事に遭遇した事があり、全身血の気が引いた経験があるのですがその話しはまた別の機会にでも。。
とにかく、相棒ヤリスを駆りつつ、夕方のカンガルーやワラビー🦘の襲撃を警戒しつつ、どうにか日が沈む前に初日の目的地に到達。32ヶ月ぶりのライトニングリッヂは暖かく迎えてくれ(ような気がする)、パブで軽く喉をうるおし栄養補給の定番ステーキをたいらげ、早々に撃沈。

7月12日 Day2
朝7時。天気 晴れ。気温 7度。
少し寒いくらいの、しかし爽快な朝。
強行軍ゆえ、あまりゆっくりもできず、朝から事前にアポを取っていた採掘人達と早速合流!と行きたいところだが、まずはその前に軽く腹ごしらえ。寄ったのはいつもだったら地元客や観光客で賑わいを見せるカフェ。このカフェがある場所こそが、20年前、かつてKと過ごしたCaravanParkがあった場所(だと思われる)で、毎回カフェに立ち寄る度に当時の記憶が頭の中を駆け抜けていく感じを覚えたりするわけです。変わってないようで、20年の月日が及ぼす近代化。当時にはなかったような綺麗な店構えがかなり増えたのは間違いない。このカフェもそんな一つ。
さて、いよいよ仕事モードに突入。
まずは、1人目!名前は伏せますが、ライトニングリッヂの名士の1人(と、勝手に思っている、いや実際たぶんそうだとは思う。。)を訪問。変わらず元気そうで、なによりだ。
まったく手の出しようがないヤバいブラックオパール達をかきわけかきわけ、どうにか洋灯舎的にかろうじて頑張れそうなオパールを探し出す作業。日頃からビッグバイヤーばかり相手にしている彼等からしたら吹けば飛ぶような洋灯舎との小さな商売にも、毎回丁寧に対応してくれて感謝の念しか抱かない。日本での日々の接客に見習うべき姿勢。
そんなこんなでブラックオパールとの3時間一本勝負を終えて、すでに疲弊。ただし、そんな事も言っておられず、アポを取っているもう1人の、年の頃も近い、ここ10年ほどでかなり馴染みとなった採掘人のもとへ。いざもう一勝負!

ピンポーン。。(30秒)
ピンポーン。。。。。(1分)
ピンポーん。。。ピンポー。。
ピンポ。ピンポピンピンピピピピ。。。。

コイツいねーな!?

と、つい声に漏れ出る。

うむ。初めての事でもない。
悪気がないのも知っている。
ただいないだけである。留守なだけである。ぐぬぬ。
そう、確かにアポは取った。
取ったのだが、しかし。
ヤツは忘れたのだ。単に忘れたのだ。
しばらく彼の家の前で立ち尽くすと、気を取り直して、予定を変更。旅の後半、帰路に着く前にもう一度立ち寄れそうなので、その時に賭けることにした。

まずは気持ちを切り替え
次の目的地にいざゆかん🚗💨

次号、「32ヶ月ぶりの緊急オパール道中2022」号外編が近日中に掲載予定!

   
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