月1連載「Road to Opal」

Road to Opal 13

時は2001年11月某日
前号まででついに人生初のピクチャーオパールとの遭遇を果たした30手前のおじさん2人。次なる目的地はヤワ周辺に広がるオパール鉱山エリアを突き抜けて、とりあえずは北方面に車を走らせる事に。
ファルコン号に乗り込み、まず最初に向かったのはQuilpie と呼ばれる小さな鉱山町。ちょっと変わった名前のこの町、日本語読みでは「キルピー」とも「クルピー」とも。実際的にはその中間くらいの発音なのですが、ここではキルピーと称します。
小さい町とは言え、ヤワよりはよほど栄えており、道路もほどほどに舗装もされていれば、ガソリンスタンドや商店も普通にあるし、何といってもちゃんとした?レストラン併設の宿も数軒あるではないですか。通りを見れば、「Opal」を冠したショップらしきものもあったりと、ちゃんと文明を感じられるキルピーにその日の宿をとることに。
適当な宿を確保し、まず手始めに周辺をぶらついた後、「Opal Hunter」なるショップに入ることに。このお店、果たして今でもあるのかは定かではないのですが、いずれキルピーを通る際には確認してみたいとは思う。
さて、その「Opal Hunter」ですが、実際に中を覗いたときはあまり目を引くようなものもなく、ちょっと期待外れ。ただ、ヤワおなじく髭もじゃの店のおやじに声をかけられると、はるばる日本から2人、オパール探しの旅をしてると知るとおやじも面白がったのか色々な話をし始めた。そうこう語り合っているうちに、その日の夜に近くの宿内にあるパブレストランに行けば、オパール鉱夫を紹介してやるような事を言われ、これと言って特に他にやることや予定があるわけでもなんでもない2人は、店のおやじに段取りだけ組んでもらって、指定の時間がくるまで適当に時間を潰す事に。
ちなみにオーストラリアによくある宿のスタイルとして、建物の2階が宿泊施設になっていて、1階がパブレストランといったものが多いです。都心部でも、ちょっと外れると同様のスタイルの宿もあるのですけど、やはりイメージとして圧倒的に多いのは僻地、アウトバックですね。むしろこのスタイルの宿しか存在しないくらいのイメージです。まぁコンパクトですし、食べて飲んだらすぐに2階に上がって寝られるので非常に合理的で、旅の途中は良く利用したものです。
腹の具合と喉の渇きもあってか、約束の時間より少し早めにパブレストランに席をみつけ、ビールで軽食を流し込みつつあるとほどなく件の鉱夫2人と合流することに成功。年の頃はこちらと同じくらいか、もう少し若い感じだろうか。これまでに遭遇してきたオージーらしく、どちらも背が高く、どっしりとした体形の男たち。対して、こちらは身長163cmのちびっこ系と身長180cm体重90キロ以上の相方K。日本人してはかなり体格の良いKではあるが、やはりオーストラリアにくると至って平均値的な感じである。
簡単に自己紹介を済ませ、オパールを探しにきた旨をやや大袈裟に、盛りつつも話をしているとパブでの滞在もそこそこに「それならウチに見にこい」と。
「おう、わかった」と即答する。いや、流れで即答してしまったというべきか。
一瞬冷静に考える。日は落ちて、あたりはすでに暗い、そう夜である。会って間もない見知らぬ大男2人の家に行くという、そしてその大男2人は我々がオパールを探しにきていることを前提に話しをしている。ということは、、、大金を持っていると思われている、、襲われる!?
いや断言する「大金など持っていない。持ったためしもない。」と。しかし会ってからここまで舐められまいと若干、いやかなり盛りつつ話しをしてきた流れを考えると今更断る理由も見当たらず、もう突撃するしかない成り行きに。ええい、こうなったらもう仕方ない。いざゆかん!

次号「闇取引?」

   
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