HOME INFORMATION月1連載「Road to Opal」

Road to Opal 23

「西へ、南へ、大移動」

時は2001年12月某日。

Wintonでの1週間にも及ぶ滞在を経て、外見こそ変わらないように見えるファルコン号も新しいエンジンを載せ替え、中身はすっかり別物と化した。エンジン始動もターンキー式からボタン式セルモーターに変容を遂げ、再び軽快さを取り戻した愛機だ。
そんなこんなで世話になった町を後にし、次に向かうは、、、実はあまり良く決まってなかったように思う。。確か、南オーストラリア州にもいくつかオパール鉱山があったはず、、程度の知識で先を目指す。
とりあえずはマウントアイザを抜けて行くことにしたのだが、やはりエアーズロックには行ってみたいと、頭は観光モードにも突入しつつ、大移動をすることに。
これまでニューサウスウェールズ州から始まり、次にクイーンズランド州に入り、そしてついにノーザンテリトリー(北部準州)に突入することになったのだ。第二次世界大戦では日本軍が何度か空爆をしたダーウィンを州都とした、北部特別地域とも呼ばれるエリアだ。
州都ダーウィンからアデレードまでを繋ぐ
オーストラリア大陸縦断鉄道「The Ghan 」ザ・ガンが走り抜けるのもノーザンテリトリーで、およそ3000キロの線路を50時間以上もかかる鉄道列車の旅だ。生きているうちにいつか乗ってみたい乗り物の一つでもある。
とにもかくにも、ファルコン号のハンドルを握りしめ、マウントアイザからテナントクリークを抜け、ひたすら南下し、南回帰線をも通過し、ついにノーザンテリトリー第2の街、アリススプリングスに到達した。Wintonから走らせること約1700km。記憶にはないが、どこかで途中一泊はしているはずの長い行程だ。
これまでの道のりでも先住民族であるアボリジニに会わないでもなかったのだが、ここまで来ると今までとは比較できないほど数多くのアボリジニ達を目にすることとなった。もともとが彼らのテリトリーの中枢の一つであったかのようで、オーストラリアの内陸地にやってきた感じがひしひしとする。アリススプリングスの人口は約25000人。日本でいえば小さな町だが、北部準州の中ではダーウィンに次ぐ規模の街であり、旅を続けてきた現地の感覚的には結構な大都市だ。今も昔もオーストラリアの南北をつなぐ重要な交通拠点としてその役割を担っているのだろう。
そのアリススプリングスを足がかりに、いよいよ、エアーズロックやキングスキャニオンなど、雄大な景色をこの目で見るために出発することになるのた。オパール道中とは言え、楽しみも重要なのだ!と言い聞かせながら翌日に備えるおじさんたち二人なのであった。

次号 「ウルル?エアーズロック?」より道編

   
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