月1連載「Road to Opal」

Road to Opal 18

前号からの次回予告 「えいぽぉぉ?」編
から急遽掲載予定を変えて、今後数号はしばらく現代編へと舞台を移します。

時は2023年4月4日、店主はオーストラリアに降りたっていた。

新型コロナ騒動もようやく出口が見えてきたなか、昨年7月の約3年ぶりの渡豪に続いて、今回もオーストラリアに到着した。
実は昨年11月から12月初頭にかけても渡豪する予定だったのだが、実はちょうどその頃、オーストラリア東部を集中的な豪雨による酷い洪水が襲っていた。洋灯舎が訪れる内陸部のオパール鉱山地帯も例外なく凄まじい影響を受けていて、そこに至るまでの途中の道筋も、あちらこちらで100kmを越えるような長距離区間で道路が水没したりしており、酷い場所では1ヶ月近くもの間、周囲から完全に孤立してしまった町もあったようだ。はたして洋灯舎が行けるものなのか、現地鉱山の知人、友人達に聞いても彼らの回答はのきなみ「絶対来るな!」の一言。よしんば鉱山まで運良く辿り着けても、滞在中に更に豪雨に見舞われたら、帰りの道路が寸断され1週間2週間の強制隔離では済まないわけなのである。かのライトニングリッヂも数週間近く孤立してしまい、スーパーなどの商品棚が全て空になったほどだという。やはり、自然災害も大陸ならではの規模だ。そして日本のように復旧が迅速だとも言えない。
そう、改めて気を抜いて訪れてはいけない奥地・僻地に足を踏み入れていることを実感する。
幸いにして今回はこれといって気にするような気象状況にもなく、問題なく旅は進みそうだ。
まだまだ減便の影響もあってか、以前のようにゴールドコーストから入るのではなく、昨年同様シドニーから各地鉱山エリアを目指すことに。相変わらずの弾丸旅である。齢も50を重ねると、そろそろもう少しゆとりのある行程にしたいものだが、、。
昨年7月同様、22年前の道程をなぞるようにしての道のりだ。道中の街並み、道並みも当時と比べればかなり変わっているが、なによりも違うのは、いまハンドルを握っているのはファルコン号ではないという事だ。軽快にレンタカーを走らせ、まずはライトニングリッヂへと辿り着く。弾丸旅ゆえ、まずは一泊のみの滞在だ。事前にアポを取っていた鉱夫数名の自宅を訪れ、それぞれでの用事をを済ますと、翌日には足早に車を走らせ、ライトニングリッヂを後に。次なる目的地は地図にも載っていないとあるエリア。そこで採掘キャンプを張っている友人宅のところに転がり込んだのである。2泊ほど世話になることになっているのだが、文明社会からはかけ離れた荒野の奥地に泊まれる場所があるのは奇跡的だ。実は前回滞在時にも泊まらせてもらった部屋?は過去のRoad to Opalライトニングリッヂ編にも登場した「Cabin」と呼ばれる牽引式のキャンピングカーだ。すでに牽引できるような状態にはないが室内は比較的綺麗にまとまってありベッドもある。ただし電気の類は一才引き込まれていないので夜は漆黒に飲み込まれる。頼りになるのは月灯りのみの世界だが、今回は満月ということもあり電灯なしでも外を歩けるほどであったのは助かった。月灯りにてらされるキャビンの中、長旅で疲れた身体をベッドに投げ出し、明日への期待に胸を踊らせながらまずは体力の回復を努めるために目をつむる。そう、今回の旅の最大の目的の一つとも言えるオパール採掘が控えているからだ。ガチなヤツだ。
あしたは、たくさん、、ほら、なきゃ、、

次号 現代編「オパール鉱脈を掘り当てろ!」

   
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