時は2001年11月
全話ではついに意気揚々と向かったブラックオパール「漁り」で、あえなく返り討ちにあったところまでお伝えしたわけですが、、結論から言ってしまいます。ライトニングリッヂ滞在中にブラックオパールは採れなかったのです。いや、正確にはちょっとは採れたのですが、いわゆる一獲千金を狙っていたあさはかな2人を満足させるようはものは見つからなかった、と言う意味での。
そう簡単にドラマチックな展開は待ち受けておらず、おじさん2人の冒険譚もいきなり尻すぼみな展開を迎えつつも、せっかくなので、もう少しだけ当時のFossickingの様子をお伝えしようかと思うのです。
前談にも紹介しましたように、ライトニングリッヂではキャンピングカーの客車部分を客室に改造してあるCaravanParkと呼ばれる簡易宿に二人で根城にしていたわけです。あまりはっきり覚えてないですが、最終的にライトニングリッヂには1週間位滞在したようにぼんやりながら記憶しています。
滞在中は基本毎朝手づくり弁当を持っては、車で1時間ほどかけてGrawinやGlengarryに通っていたわけですが、手づくり弁当といってもそれは簡単なもので、食パンに目玉焼き、ハム、マヨネーズを挟んだシンプルなもの。オーストラリアを旅しているあいだ、どれだけ口にしたかもわからないこのサンドイッチと、そして十分な量の水を持っての宝探し。
乾燥したオパール採掘残土に霧吹きで水を吹きかけ遊色を見やすくするために水が必需品なのはもちろんですが、飲料用としての必要性が圧倒的に大きかったのです。当たり前のようにも聞こえますが、11月中旬と言えばオーストラリアでは日本で言うところの5月中旬、そう、すでに夏に差し掛かっていた時期でした。
しかも内陸性の気候と言いますか、5月と言えど日によっては日中40℃位には平気で気温が上がります。大気が乾燥しているからこそ汗はあまりかかないのですが、気づかないうちに脱水症状を起こす危険もあるのでマメに給水しなが、ひたすらに残土の山をさまよいつづけるわけです。
先にネタバラシしたように、残念ながらコレと言ったブラックオパールは見つからなかったわけですが、中にはふらふらっとFossickingに立ち寄った観光客が市場価格にして数百万円はするブラックオパールを探し当てたりもして地元の新聞が盛り上がったりする事もあるようなので、やはり夢はある!
もちろんおじさん二人も全く成果がなかったわけではないのですが、胸を張って自慢できるレベルのオパールは一つも見つからなかったのです。
20年を経たいまでも、いや、いまでこそ、また挑戦したいと言う想いが強く、いつか必ずまたリベンジしたいと思いつつ、次号からのオパール道は2022年の「今」も織り交ぜつつ、展開してゆきたいと思うのです。
次号「時は2022年」